スクラップヤード・金属くず業者の方へ|「ヤード規制」で許可が義務化されます
令和8年4月10日、政府はスクラップヤードや金属くず置き場を対象とした新たな許可制度を盛り込んだ廃棄物処理法の改正法案を閣議決定しました。
施行後は、許可なしでヤードを運営することが違法となり、刑事罰の対象になります。
「うちは関係ない」と思っている方も、ぜひ一度ご確認ください。
なぜ今、ヤード規制が導入されるのか
これまでスクラップヤードは、廃棄物ではなく「有価物」を扱う場合、届出すら不要で営業できました。しかし全国調査では4,000件以上のヤードが確認され、騒音・悪臭、水質・土壌汚染、火災、金属資源の海外流出、犯罪との関与といった問題が各地で深刻化しています。
こうした状況を受け、行政が事前に審査・監視できる許可制度が新設されることになりました。
許可が必要な事業者・不要な事業者
許可が必要になる可能性が高い事業者
- 金属くず(鉄・銅・アルミ等)を買い取って保管・販売している
- 解体業や自動車修理業と併せてスクラップを保管している
- 廃プラスチックを原料として保管・再生処理している
- 現在、有害使用済機器保管等の届出だけで運営している
許可が不要になる可能性がある事業者
- すでに産業廃棄物処理業許可を持っている
- 自動車リサイクル法や小型家電リサイクル法等の認定・登録を受けている
- 保管・再生の規模が政令基準以下の小規模事業者
「有価物だから関係ない」という認識だけでは不十分なケースがあります。
自社が対象になるかどうかは、個別の業態・品目によって判断が変わります。
新設される2種類の許可
今回の改正で設けられる許可は大きく2種類で、いずれも都道府県知事(政令市は市長)の許可が必要です。
有効期間は5年以上の更新制です。
保管業許可(第24条の7) 使用済金属・プラスチック等を保管する事業
再生業許可(第24条の15) 使用済金属・プラスチック等を再生処理する事業
保管と再生処理の両方を行っている場合は、2つの許可が必要になる場合があります。
許可を受けるための要件
許可取得には主に2つの要件を満たす必要があります。
① 施設が環境省令の基準を満たすこと
保管場所の構造、汚水・騒音対策、防火設備などについて省令基準への適合が求められます。
現状の施設で基準を満たすかどうか、改修が必要かどうかの確認は早めに行うことをおすすめします。
② 欠格事由に該当しないこと
申請者本人だけでなく、法人の役員全員と政令で定める使用人についても審査されます。
たとえば過去に許可の取消しを受けた経歴、刑事罰を受けた経歴、暴力団との関係などが欠格事由に該当します。
一人でも該当すると許可を受けられないため、役員が複数いる法人は特に注意が必要です。
許可後に課される主な義務
許可取得後も継続的な義務があります。
- 取り扱った物品の種類・数量・取引先等を記載した帳簿の備付けと保存
- 氏名・住所・施設構造等を変更した場合の変更許可・届出
- 廃業・解散時の届出
- 政令で定める保管基準・再生基準の遵守
- 他人への名義貸しの禁止
違反があれば業務停止・許可取消しに加え、刑事罰の対象にもなります。
スクラップを海外に輸出している方へ
バーゼル条約の対象品目を輸出する場合は、保管業・再生業の許可とは別に環境大臣の確認(輸出確認)が必要です(改正法案第24条の14・21)。
対象品目の詳細は政令で定められます。
施行スケジュールと今すぐ準備すべきこと
施行日は公布から2年6ヶ月以内で政令が定める日とされています。
「まだ先の話」と思いがちですが、施設の改修には時間とコストがかかります。また、改正法案には施行日前から事前申請ができる規定(附則第2条)も設けられており、受付開始後すぐに動けるよう今から準備を進めておくことが重要です。
現在「有害使用済機器保管等届出」だけで運営している事業者は、施行後はその届出だけでは違法となり新許可への切り替えが必要です。
違反した場合の罰則
無許可営業、不正取得、基準違反、名義貸し、帳簿の不備・虚偽記載、立入検査の妨害などは刑事罰の対象です。
法人の場合は両罰規定が適用され、会社と代表者の双方が処罰対象になります。
ご相談はお気軽に
「自社は許可が必要?」「施設の改修はどの程度必要?」「申請書類は何を準備すればいい?」といったご不明点は、行政書士コバン法務事務所までお問い合わせください。
本記事は令和8年5月時点の情報をもとに作成しています。政令・省令の詳細は今後確定するため、最新情報は環境省または当事務所までご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。

