【岡山県】中間処理場をつくる前に、用地の「造成」で盛土規制法の許可が先に必要になります

この記事の要点

  • 中間処理場(産業廃棄物の中間処理施設)をつくるとき、多くの事業者は「まず廃棄物処理法の施設設置許可」と考えます。
  • しかし実際は、その手前の「用地の造成・整地」の段階で、盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)の許可が先に必要になることがあります。
  • 「施設の許可さえ取れば始められる」とは限りません。土地を契約する前に、その造成に許可がいるかを確認しておくことが、後戻りを防ぐ最大のポイントです。

 中間処理場を新しく構えるとき、最初の関門になるのが「土地」です。

 岡山県で用地を確保する際に、何が・どの順番で必要になるのかを、土地利用の許認可を専門に扱う行政書士コバン法務事務所が整理します。

なぜ「施設許可より先」に規制がかかるのか

 中間処理場の設置は、廃棄物処理法第15条の施設設置許可が中心だと考えられがちです。

 しかし実際のプロジェクトは、次の工程で進みます。

  1. 用地(土地)の確保
  2. 用地の造成・整地(盛土・切土)
  3. 施設の設置許可・建築・業の許可
  4. 操業開始

 このうち「2の造成・整地」が、盛土規制法の規制対象行為「土地の形質の変更(盛土・切土)」にそのまま該当します。

 つまり、廃棄物処理法の施設許可を申請するより前の段階で、別の許可が必要になることがあります。

 ここを見落とすと、土地を取得・賃借した後に「造成に着手できない」「無許可で造成してしまった」という事態を招きます。

盛土規制法とは(岡山県での基本)

 盛土規制法(通称)は、危険な盛土等を全国一律の基準で規制するため、令和5年5月26日に施行されました。

 岡山県では、人家等に被害を及ぼしうるエリアが規制区域として指定されています。

  • 宅地造成等工事規制区域:市街地や集落、その周辺など、盛土等が行われれば人家等に危害を及ぼしうるエリア
  • 特定盛土等規制区域:市街地等から離れているが、地形などの条件から危害を及ぼしうるエリア

 ここでいう「宅地」は、農地・採草放牧地・森林および公共施設用地以外の土地を広く指します。

 資材置場や処理施設用地も該当しうる点に注意してください。

岡山県の許可権者(どこに申請するか)

工事を行う区域許可権者
岡山市・倉敷市・玉野市・笠岡市の区域各市長が許可
上記以外の岡山県内の区域岡山県知事が許可

 立地によって窓口が変わります。早い段階で対象区域を特定しておきましょう。

「許可が必要な造成」の規模要件

 宅地造成等工事規制区域内では、次のいずれかに該当する造成は許可が必要です(代表的なもの)。

  • 盛土で高さ1m超の崖を生じるもの
  • 切土で高さ2m超の崖を生じるもの
  • 盛土と切土を同時に行い、高さ2m超の崖を生じるもの
  • 盛土で高さ2m超となるもの
  • 盛土または切土をする土地の面積が500㎡超となるもの

 さらに、土砂を一時的に積む「土石の堆積」も対象です。

  • 最大時の堆積高さ2m超かつ面積300㎡超
  • 最大時の堆積面積500㎡超

 中間処理場の用地は数百㎡〜数千㎡規模になることが多く、「面積500㎡超」に触れやすいのが実務上のポイントです。

 整地をともなえば、ほぼ検討対象に入ると考えておくべきでしょう。

開発許可(都市計画法)との「みなし」関係

 造成が一定規模を超えると、都市計画法の開発許可も関係します。盛土規制法では、都市計画法の開発許可を受けた場合は盛土規制法の許可を受けた(または届け出た)ものとみなす仕組みがあります。

 中間処理場の用地づくりでは、廃棄物処理法(施設設置許可)・都市計画法(開発許可)・盛土規制法(造成の許可)が重なってかかることがあり、どれが先行し、どれが「みなし」で吸収されるのかを最初に設計しておく必要があります。

許可で特に重要な「土地所有者等の全員同意」

 盛土規制法の許可基準では、工事をしようとする土地の区域内の所有権・地上権・賃借権・使用貸借による権利などを有する者“全員”の同意が必要です(抵当権等の担保物権者の同意は原則不要)。

 中間処理場の用地は借地や共有地であることも多く、賃借契約を結んだだけでは足りず、関係権利者の同意書・印鑑証明書の取得まで必要になります。

 用地を押さえる契約交渉の段階で、同意取得まで見込んだ条件設定をしておくのが安全です。

よくある失敗パターン

  • 土地を取得・賃借した後で規制区域に気づき、造成に着手できない
  • 「廃掃法の許可が下りてから造成」と考えていたが、造成自体に盛土規制法の許可が必要だった
  • 面積500㎡超の整地を「届出だけ」と誤認していた
  • 周辺住民への事前周知(説明会・書面配布・掲示+ネット掲載のいずれか)の手続きを工程に入れていなかった

まとめ:土地を押さえる前に「規制の地図」を描く

 中間処理場のプロジェクトは、施設許可だけを見ていると足元の造成段階でつまずきます。

 土地を契約する前に、(1)規制区域か、(2)造成規模が許可対象か、(3)開発許可との関係、(4)権利者同意の見通しを一度に確認しておくことが、結果的にいちばんの近道です。

 行政書士コバン法務事務所では、岡山県全域(岡山市・倉敷市・玉野市・笠岡市ほか県内全市町村)で、盛土規制法・開発許可・廃棄物処理法をまたいだ用地確保の手続き設計をお手伝いしています。

 用地の検討段階からご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 廃棄物処理法の施設設置許可があれば、盛土規制法の許可は不要ですか?
A. いいえ。両者は別の制度です。施設許可があっても、造成が規模要件に該当すれば、別途盛土規制法の手続きが必要です。

Q. 岡山県では、盛土規制法の許可はどこに申請しますか?
A. 岡山市・倉敷市・玉野市・笠岡市の区域は各市長、それ以外の県内区域は岡山県知事が許可権者です。

Q. 整地だけでも許可が必要になりますか?
A. 宅地造成等工事規制区域内で、面積500㎡超の盛土・切土などに該当すれば許可が必要です。中間処理場の用地は該当しやすい規模です。

Q. 開発許可を取れば盛土規制法の手続きは省けますか?
A. 都市計画法の開発許可を受けた場合、盛土規制法の許可(または届出)を受けた・行ったものとみなされます。要件の確認が必要です。

 本記事は令和7年(2025年)時点の制度内容にもとづき、当事務所が一般的な情報提供を目的として作成したものです。

 区域・規模の判定や具体的な手続きは個別事情により異なります。

 最新の取扱いを含め、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

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