スクラップヤードが「許可制」へ|2028年の規制化に向けて今すぐ確認したいこと【岡山・倉敷/全国対応】
金属やプラスチックのスクラップを扱う事業者の方にとって、見逃せない法改正が動き出しました。
これまで「有価物だから廃棄物の規制の対象外」とされてきた、使用済みの金属・プラスチック物品の保管や再生について、新たに許可制が導入されることが決まったためです。
当事務所ではこれまでも、スクラップヤードや「ヤード規制」、金属くず業に関わる許認可について複数の記事を公開してきましたが、今回はその流れを大きく変える重要な改正です。
「うちは届出を出しているから大丈夫」と思っていても、新しい制度では改めて許可が必要になる可能性があります。
岡山・倉敷を中心に全国対応で許認可をお手伝いしている行政書士コバン法務事務所が、要点を整理して解説します。
1. 何が変わるのか ―― スクラップヤードに「許可制」が導入されます
2026年4月10日、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、その後の国会で成立しました。
改正のひとつの柱が、いわゆるスクラップヤードの規制強化です。
ここでいうスクラップヤードとは、使用済みの金属・プラスチック物品を保管または再生(切断・圧縮・破砕・選別・洗浄など)する事業場を指します。
資源循環の要として重要な役割を担う一方で、一部のヤードで騒音・水質汚濁・火災といった生活環境上の問題が報告されてきたことが、規制強化の背景です。
改正のポイントは、大きく次の3点です。
第一に、使用済みの金属・プラスチック物品の保管または再生を行う事業について「許可制」が導入されます。
第二に、保管や再生に係る基準の遵守が求められます。
第三に、環境汚染のおそれのある物品は国内での再生が原則とされ、その輸出には環境大臣の確認が必要になります。
つまり、これまで「有価物の保管・取引」として比較的自由に行えていた業務が、行政の許可と基準のもとに置かれることになります。
2. いつから始まるのか ?「まだ先」ではなく「今が準備の時期」
スクラップヤード規制の部分は、公布の日から2年6か月を超えない範囲で政令で定める日から施行されることになっています。
逆算すると、おおむね令和10年度(2028年度)ごろの施行が見込まれます。
「まだ2年以上ある」と感じるかもしれません。しかし、許可制では一般に、保管場所の構造や面積、囲い、掲示、管理体制などについて基準への適合が求められます。
設備の改修やレイアウトの見直しが必要になるケースでは、施行直前に動いても間に合いません。
「施行まで時間がある今こそ、現状の棚卸しと準備を始める好機」これが実務の感覚です。
3. すでに「実態調査」は始まっています。|調査票で問われている内容
「施行は2028年ごろ」と聞くと先の話に思えますが、現場ではすでに動きが始まっています。
自治体の中には、対象になりそうな事業者へ実態調査(調査票・アンケート)を送付し、回答を求めているところが出てきています。
実際に当事務所でも、こうした調査票への対応に関するご相談を受けています。
調査票では、たとえば次のような点が確認されています(内容は自治体により異なります)。
- 使用済みの金属・プラスチック物品(有価物)を、保管(譲渡のためのものに限る)または再生(機械等を用いた切断・圧縮・破砕・選別・洗浄など)しているか
- 産業廃棄物収集運搬業の許可証の「許可の条件」欄に記載された設置場所以外でも、これらの物品を保管していないか
- 手作業による解体(溶断を含む)を、許可の条件欄に記載された設置場所以外でも行っていないか
- 産業廃棄物処分業の許可証の条件欄に記載された設置場所以外でも、再生を行っていないか
- 再生に使う重機・機械等に、処分業許可の対象外の設備を使うことがあるか
こうした質問からは、行政が「どこで・何を・どの設備で」保管や再生をしているのかを把握しようとしている狙いが読み取れます。
回答内容は、後の許可手続きの前提となる重要な情報です。
提出には期限が設けられていることも多く、「とりあえず空欄で返す」「実態と違う回答をする」のは避けるべきです。
調査票が届いたら、自社の業務実態を正確に整理したうえで回答することをおすすめします。
判断に迷う場合は、回答前に専門家へご相談ください。
4. 「有害使用済機器の届出」とは別物です。|ここが混同しやすいポイント
スクラップを扱う事業者の方からよくいただくのが、「すでに有害使用済機器の届出は出しているが、それで足りるのか」というご質問です。
結論から言うと、両者は別の制度であり、片方を満たしていればもう片方が不要になるわけではありません。
有害使用済機器保管等届出制度は、廃棄物処理法第17条の2に基づき、2018年(平成30年)4月から始まった制度です。
対象は、家電リサイクル法の4品目と小型家電リサイクル法の28品目を合わせた32品目の電気電子機器(いわゆる雑品スクラップに含まれる機器類)。これらを業として保管・処分する場合に、原則として保管面積が一定規模(屋外保管おおむね100㎡)以上であれば、都道府県知事等への届出が必要になります。
火災や有害物質の流出を防ぐことが目的です。
一方、今回のスクラップヤード規制は、対象を電気電子機器に限らず、金属・プラスチック物品全般の保管・再生に広げ、しかも届出ではなく「許可」という、より重い枠組みを設けるものです。
整理すると次のようになります。
| 有害使用済機器の届出制度 | スクラップヤードの新規制 | |
|---|---|---|
| 開始時期 | 2018年4月〜(施行済み) | 令和10年度(2028年度)ごろ見込み |
| 手続き | 届出 | 許可 |
| 主な対象 | 電気電子機器32品目(雑品スクラップ) | 使用済み金属・プラスチック物品全般 |
| 規制内容 | 保管・処分の基準、届出 | 許可・基準遵守・輸出時の環境大臣確認 |
すでに届出を済ませている事業者でも、新制度では改めて許可の取得が必要になる可能性が高い、という点をぜひ押さえておいてください。
5. 積替え保管・収集運搬・処分業の許可をお持ちの方へ
産業廃棄物の収集運搬業(積替え保管を含む)や処分業の許可をお持ちの場合でも、注意が必要です。
これらの許可は、許可証の「許可の条件」欄に設置場所が定められているのが通常です。
条件欄に記載された場所以外で保管や再生(切断・溶断などの作業を含む)を行っていないか、改めて確認しておきましょう。
現状の業務は?
- 許可された設置場所以外でも保管・再生を行っていませんか?
- 機械や重機を使った切断・圧縮・破砕・選別・洗浄を行っていませんか?
- 取り扱う物品が「有価物」として整理できていませんか?
といった点は、新制度の許可の要否を見極めるうえで重要な判断材料になります。
自社の現状が新しい許可の対象になるのかどうか、早めに整理しておくことをおすすめします。
6. 今やっておきたい5つの準備
施行を待たずに着手できる準備として、次の5点をおすすめします。
- 取り扱い品目と業務内容の棚卸し ―― 何を、どこで、どのように保管・再生しているかを書き出す。
- 保管場所の現状確認 ―― 面積、囲い、地面の舗装、排水、消火設備などをチェックする。
- 既存の許可・届出との突き合わせ ―― 産廃許可の条件欄、有害使用済機器の届出内容と実態にズレがないか確認する。
- 行政からの調査・案内への正確な対応 ―― 実態調査が届いた場合は内容を正しく理解して回答する。
- 専門家への早めの相談 ―― 自社が許可対象になるか、どんな基準を満たす必要があるかを確認する。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 有価物として売買していれば、これまで通り規制の対象外ですか?
A. これまでは対象外とされてきましたが、改正により、有価物であっても使用済みの金属・プラスチック物品の保管・再生は許可の対象に含まれる見込みです。「有価物だから大丈夫」とは言えなくなります。
Q. 有害使用済機器の届出を出していれば、新しい許可は不要ですか?
A. いいえ。届出制度と許可制度は別の枠組みです。届出済みでも、新制度では改めて許可が必要になる可能性があります。
Q. 施行はいつですか? まだ準備しなくてよいですか?
A. おおむね令和10年度(2028年度)ごろの施行が見込まれます。ただし設備や体制の整備には時間がかかるため、今からの準備をおすすめします。
Q. 岡山県外の事業者でも相談できますか?
A. はい。当事務所は岡山・倉敷を拠点に、全国対応で許認可をサポートしています。オンラインでのご相談も可能です。
スクラップヤードの許可・規制対応は行政書士コバン法務事務所へ
今回の改正は、スクラップ・金属くず・ヤードを扱う事業者にとって、事業の根幹に関わる大きな変化です。
「自社が許可の対象になるのか」「何から準備すればよいのか」 を早めに把握しておくことが、施行後にあわてないための一番の近道です。
行政書士コバン法務事務所は、岡山・倉敷を中心に全国対応で、産業廃棄物処理業の許可、積替え保管、有害使用済機器の届出、そして今回のスクラップヤード規制への対応まで、許認可をワンストップでサポートしています。
「うちは対象になる?」という段階のご相談でも構いません。
まずはお気軽にお問い合わせください。
スクラップヤードの許可・規制対応について、現状の確認からお手伝いします。
お問い合わせフォーム・お電話よりご連絡ください。

