【要注意】再入国許可なしで帰国していませんか?在留資格変更中の出国と、特定技能での再申請

 技能実習を修了して特定技能へ移行する場面など、在留資格の手続が続くタイミングで、外国人ご本人が「いったん母国に帰りたい」と希望することは少なくありません。

 このとき、再入国許可(みなし再入国許可を含む)を受けずに出国してしまうケースを、当事務所でもたびたび目にします。

 「在留資格の変更を申請したから大丈夫」と安心して帰国してしまうと、その手続が無駄になり、もう一度はじめからやり直さなければならなくなることがあります。

 出国に伴うリスクと、建設分野・特定技能で改めて呼び寄せる場合の流れを、当事務所が制度のポイントとして整理しました。

本記事は一般的な制度の解説です。法令・制度は改正される場合があります(記載内容は2026年6月24日時点で確認しています)。個別の事案は、必ず最新の情報をご確認のうえ、当事務所までご相談ください。


1. 再入国許可を受けずに出国すると、在留資格は「消滅」します

 ここが最も重要なポイントです。

 再入国許可(みなし再入国許可を含む)を受けずに日本を出国すると、それまで持っていた在留資格と在留期間は消滅します(入管法第26条)。

 いったん在留資格が消滅すると、再び日本へ入国するには、改めて査証(ビザ)を取得し、上陸申請・上陸審査をやり直すことになります。

 「少しの間だけ帰るつもり」でも、手続を取らずに出国すれば同じ結果になります。

「みなし再入国許可」の要件(入管法第26条の2)

 短期間の出国であれば、原則として通常の再入国許可を取らなくても「みなし再入国許可」で出国・再入国ができます。

 ただし、次の条件があります。

  • 有効な旅券(および在留カード)を所持していること
  • 在留期間が「3月」以下の方、「短期滞在」の方は対象外
  • 出国の日から1年以内に再入国すること(在留期限が1年より先に来る場合は在留期限まで/特別永住者は2年)

 裏を返すと、この手続をせずに出国した場合は「みなし」も働かず、在留資格は消滅するという点に注意が必要です。


2. 在留資格の変更を申請中でも、出国すれば前提が崩れます

 技能実習の修了前後で、特定活動への切替えや特定技能への変更など、在留資格変更許可申請を行うことがあります。

 ここで誤解されやすいのが「申請さえ出していれば、帰国しても審査は続く」という思い込みです。

 在留資格の変更(入管法第20条)は、現に在留資格を持って日本に在留している外国人が、出国することなく別の在留資格に変えるための手続です。

 あくまで「日本に在留していること」が前提になっています。

 一方で、第1節のとおり、再入国許可を受けずに出国すれば在留資格そのものが消滅します。

 変更許可申請を出した後でも、再入国許可を受けずに帰国してしまうと、「日本に在留し、在留資格を有している」という申請の前提が失われます。

 その結果、申請を続けられず、それまでの手続が無駄になってしまう事態が起こり得ます。

 なお、出国後の具体的な取扱い(申請がどう処理されるか)は事案によって異なるため、出国を検討する段階で、当事務所または管轄の地方出入国在留管理官署に必ずご確認ください。


3. いちばん怖いのは「再来日のやり直し」建設分野・特定技能の場合

 在留資格が消滅した方を、改めて特定技能として日本に呼び寄せる場合、原則として海外から「在留資格認定証明書交付申請」を行い、一から入国手続をやり直すことになります。

 さらに建設分野では、特定技能外国人を受け入れるために、受入企業があらかじめ、国土交通省(地方整備局等)による「建設特定技能受入計画」の認定を受けておく必要があります。

 計画認定の申請と、在留資格認定証明書交付申請は並行して進めることができますが、最終的な在留資格の許可には、国土交通省の計画認定が前提になります。

 つまり、安易な出国によって在留資格が消滅すると、受入企業側も計画認定の段階から手続をやり直すことになりかねません。

 本人にとっても企業にとっても、時間・費用の負担は小さくありません。

 だからこそ、当事務所は出国前の確認を強くおすすめしています。


4. トラブルを防ぐためのチェックポイント

 帰国の予定が出た時点で、次の点を必ず確認してください。

  • 出国前に再入国許可(またはみなし再入国許可)の手続を済ませているか
  • みなし再入国許可で出るなら、出国日から1年以内(在留期限が先に来る場合は在留期限まで)に戻れる予定か
  • 在留資格の変更・更新などの手続中に出国する必要が本当にあるか、出国の影響を事前に確認したか
  • 在留期間や在留カードの有効性に問題はないか

 特に、技能実習の修了時期と帰国・再来日のタイミングが重なるケースでは、ひとつの判断ミスが大きなやり直しにつながります。


困ったときは行政書士コバン法務事務所へ

 在留資格の変更・更新、再入国許可、特定技能への移行、建設分野の受入計画認定など、入管業務に関するご相談を承っています。

 「出国して大丈夫か分からない」という段階でのご相談が、いちばんトラブルを防ぎます。お早めにお問い合わせください。

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