経営事項審査の点数とは?

建設業者さんが公共工事に参加するには経営事項審査の受審が必要になることはご存じかと思います。

この経営事項審査では入札に参加するための格付けの参考になる点数がわかります。

そもそもこの点数とは何なのか?

今回は記事では点数とは何のことなのかを解説していきます。

総合評定値

すでに手引きなどを見られた方はアルファベットの点数をいくつか見たと思います。

経審事業者さんが経営事項審査を受審して決定する点数が「総合評定値」で、この総合評定値を「P点」といい、入札参加資格申請において客観点数として格付けのベースとなります。

この総合評定値(P点)は5つの評価項目から計算され、その評価項目が以下のものになります。

X1

X2

以上5つになります。

何が何なのか意味がわかりませんよね?

私もまだ勉強中だったころ師匠の事務所で理解するのに困りました。

では各項目が何なのかを解説していきます。

X1

X1は完成工事高に対する評価項目です。

完成工事高なので当たり前ですが、売上が大きければ大きいほどX1の点数が高くなります。

しかし売上にはどうしても波があるので単年で評価されるのではなく当期と前期の2年平均、もしくは、前々年を加えた3年平均のいずれか都合の良い方を選択することになります。

※岡山県にて経営事項審査を受審する場合に専門工事の完成工事高として評価してもらうには注文書と注文請書のセットが必要となり、完成工事高に上げる工事が2千件あるとするなら、注文書と注文請書が2千セット必要ということになります。

X2

Ⅹ2は自己資本額および平均利益額についての評価項目で自己資本や営業利益など経営規模についてとなります。

簡単にいうと利益をどれだけ蓄えているか(自己資本)と前期と今期の本業で利益をどれだけ出せたか(平均利益額)の利益に着目した項目になります。

Zは技術職員数と元請完成工事高に関する評価項目です。

技術職員は審査基準日(決算日)の時点で技術職員1人につき2業種まで加点がもらえますが審査基準日時点での在籍期間も要件となるので注意が必要です。

完成工事高についてはⅩ1でも登場しましたが、ここでは元請の工事が評価されます。

元請工事は下請工事に比べて、よりマネージメント能力等が求められることから独自に加点されます。

Wはその他審査項目で社会性等を評価され、企業が社会的責任を果たしているかが評価される項目です。

Wは退職金制度や防災協定、若手の育成などで評点がよくなりますが、防災協定などを独自で締結している場合は問題はありませんが、協会等に加入している場合は協会の加入だけでなく協会内部の組織にも加入していなければ証明が取れない場合がありますので注意が必要となります。

また、評価の対象時期についてはWも審査基準日(決算日)時点での状況が評価対象となります。

最後にY点ですが、これは経営状況を評価、すなわち財務状況に関する評価項目になります。

Y点については評価するのは行政庁ではなく、登録経営状況分析機関となり、この分析機関に建設業財務諸表を評価してもらうことを経営分析といいます。

Y点については8つの指標で計算しますが、私たち専門家が関わることで点数が伸びる部分でもありますので、この8つの指標については今後、別の記事で解説していこうと思います。

最後に

ここまで経営事項審査の点数が6つの項目に分かれ、評価項目によってそれぞれの加点がされることを解説してきました。さて、ここまでお読みいただいて何となく気がついた方もおられると思いますが、審査基準日(決算日)を迎えた後では専門家の私たちであっても点数を上げるために出来ることはほとんどありません。

経営事項審査は同一の指標を基にした建設事業者としての通知表でありテストのようなものなのでテスト当日(審査基準日)を過ぎてからテスト勉強(点数アップのための対策)をしても次回のテストにしか役に立たないのと同じなのです。

経営事項審査は公共工事に参加していく上で非常に重要なプロセスです。

点数の要素や評価基準について、私たち専門の行政書士は豊富な知識と経験を持っており、事業者様にとって最適な対策やアドバイスを提供させて頂きます。

今後も経営事項審査についての記事を執筆していきますが、さらに詳しくお知りになりたい場合や、具体的な相談がございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。

最善の解決策を見つけるために全力でサポートいたします。

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