忘れがちな変更届

建設業許可を取得後に事業を行っていく上で事業者様の体制が変わっていくというのはよくあることだと思います。

「人に関すること」「物に関すること」「お金に関すること」建設業許可を取得後は例外をのぞき、以上の3つのことに関する変更があった場合は変更届の提出が必要となります。

物に関することで営業所が移転した場合などは変更届が必要ということはわかると思います。しかし、人に関することはどうでしょうか?

よくある事例で建設業許可に関する手続きを自社でされていて役員の変更があったにもかかわらず、変更届の提出を忘れたまま更新申請をしてしまい、その後に提出した事業年度終了報告や役員等の変更届において、すでに新たな役員が就任していることが発覚してしまい、指示処分を受けるケースがあります(本記事では割愛しますが、指示処分を受けた場合は外国人の雇用が出来なくなるケースもあります。)。また、役員だけでなく顧問や相談役に関しても同様に変更の届出が必要となりますのでお気を付けください。

この他に忘れがちなものが「株主等」の変更です。

ただし、少数の株式を持っていても届出の対象となるわけではなく、以下の2つの場合には注意が必要となります。

・100分の5以上の普通株式を保有(100分の5以上を出資)するに至った場合。

・100分の5以上の普通株式を保有(100分の5以上を出資)しなくなった場合。

つまり、株式を5%以上所有するということは、会社の運営に影響を与える可能性があるため届出が必要になると解釈していただいて結構です。

従って、ここで注意すべきは株主の全員が役員等に含まれるわけではないということです。しかし、5%以上の株主に変更があっても、他の少数株主と同じように扱ってしまい、うっかりと見落としてしまうといったケースがあり、特に同族会社の場合、5%以上の株主の就退任の変更届をお忘れのケースが多いように思われますので注意をお願いします。

期限について

変更届には提出の期限があり、その期限を過ぎてしまうと建設業法違反となり、刑罰、行政罰の対象となってしまいます。

そこで、ここでは主要な変更届の期限を記載します。

2週間以内

・経営業務の管理責任者

・専任技術者

・令3条の使用人(支店長等)

この3つに関しては特に期限が短いので注意が必要となります。

30日以内

・営業所の名称、所在地の変更や新設、廃止等

・資本金額の変更

・役員

・株主、顧問、相談役の変更

※上記のとおり株主については100分の5以上の株式を取得、もしくはそれに相当する出資をしている者

・氏名(改姓、改名)

・廃業届(一部業種廃業も含む)

最後に

建設業許可の変更届において、常勤役員等(経営業務の管理責任者等)や専任技術者に関連する変更届には、十分な注意が払われていると考えられます。

事業者様にとっては、常勤役員等(経営業務の管理責任者等)や専任技術者の交代は、建設業許可の要件に直接関係する変更事項であり、当然の重要性があります。しかしながら、事業者様にとっては、建設業許可の要件に直接関係しない変更事項については、うっかり見落とされる場合もあるようです。

この様に建設業許可の取得後には申請書や変更届の作成、提出がついてまわりますので、お困りの事業者様は当事務所までお気軽にご相談ください。

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