働き方改革(2024問題)後に勝者になるためには?

行政書士コバン法務事務所、代表の中村です。

2024年問題で苦労されている建設業界や運送業界の経営者の方は、まだまだ多数おられるのではないでしょうか?

労働時間の問題は社会保険労務士さんの職域ですから別の観点から現状の問題、原因や今後、本当の意味で弱肉強食になっていく中で勝者になるためのお話をさせて頂ければと思います。

まず、この問題の根本にあったのは少子化問題でした。

高度成長期の際に我々の先輩たちは必死に働き、日本を豊かな国にしてくれました。

私が子供の頃もテレビCMで「24時間戦えますか」のフレーズがありましたが、覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

その言葉の通り、日本において労働の評価として労働時間が重要視されており、長時間労働や過労死などの問題が起こり労働基準法などの改正が行われてきました。

そして、国連からも日本人は働き過ぎで余裕が無いと指摘を受けており、働き方改革が行われることになりました。

私個人としては、核家族化や女性の社会進出があったとしても、これまで労働の評価が時間で、大半が成果ではなく時間に対して対価が支払われていた国で労働時間が短くなれば収入も減り、経済的余裕が無くなり子供の数が減ったのではないかと思っているので、このところの急激な物価上昇に加えて働き方改革でさらに時間が規制され収入が減ることで、減収分を本業に支障をきたさない本業よりも安い時間単価でアルバイトをするなどで補うことになり、逆に総収入の安くなった長時間労働になり、大手企業から始まっている最近のニュースで聞く給料のベースアップ程度では少子化が加速し、最終的には移民を受け入れ、多民族国家になっていく気がするのですが、国連や政府は働き過ぎで時間に余裕が無いから子供が増えないという考えだそうです。

現実問題として、団塊の世代の大量退職により政府の計画通りに専業主婦の方が仕事をするようになったとしても、800万人の生産者人口が足りなくなると言われています。

それでは建設業と運送業の現状を見ていきましょう。

高齢者の大量退職が迫っています

まずは厚労省と国交省からお借りしてきた建設業と運送業の資料をご覧ください。

建設工事従事者の現状

運送業従事者の現状

いかがでしょうか?

以前から問題になっていた事ではありますが、グラフにすると高齢化により、将来ではなくもう既に人手不足が深刻になっていることが視覚的にもわかり、この状況で働き方改革が実行されれば、現場が動かなくなってしまう事が明らかで、運送業においては現在動いている物量の36%が運べなくなると言われています。

建設業界、運送業界で共通している事は若い人材が少ない状況で現役で働いている高齢者が引退する事になり、技術者や乗務員の引抜合戦が起こり、敗れれば外国人労働者を雇用し存続を図るか、廃業を選択するかの現実が待っており、業務だけでなく人員までもが弱肉強食の時代になります。

人的資本経営

これまでお話させて頂いた事からもわかる通り、他社に人材を奪われず自社を成長させていくには会社の目的、使命感をはっきりとさせ従業員と共有し組織力の強化をしていくことを外すことはできません。

そこで、原点に立ち返り組織の強化、効率性を高めるため、人材マネージメントが重要となります。

人的資本経営とは経営の神様と言われた松下幸之助さんも「企業は人なり」ということばを残されていますが、簡単に言うと人件費を経費として考えるのではなく、人材を資本と考えるもので、1900年代初頭からある組織内の人材を育成、維持するために従業員のスキルや知識を向上させ高いパフォーマンスを発揮させることで企業が長期的に成功するための優れた人材を育成する人材マネージメントの手法です。

過去にも、企業にとって不可欠な人的資本を確保するために、従業員に対する投資が盛んになった時代がありました。

では実際に人的資本経営にはどの様な施策が必要になるかをご覧ください。

1,コミュニケーションの改善

効果的なコミュニケーションは企業の成果に大きな影響を与えますので経営者は従業員と良好なコミュニケーションを持つことを心掛け、考えや目的、意見を共有する社風を作り出す必要があります。

2,モチベーションの向上

従業員の持つ能力や、やる気をを引き出すためにはモチベーションの向上は必須となります。

経営者は従業員の業績や貢献を公正に評価して適切な報酬、昇進機会を与える必要があります。また、従業員がスキルアップする機会を提供することも大切になります。

3,教育とトレーニング

さて、コミュニケーションをしっかりと取りモチベーションを上げて取り組むのが教育とトレーニングです。

経営者は従業員が能力を発揮できるように、必要な教育とトレーニングをする必要があります。

そうすることで従業員は継続的に成長して、企業の中でより重要な役割を果たすことができるようになります。

4,ダイバーシティマネージメント

ダイバーシティ、つまり多様性です。

経営者が従業員の多様性を尊重して従業員の様々な価値観を理解することは企業が永続的に成功するためには欠かせません。

経営者には多様性を受け入れて、すべての従業員が自分らしく働ける環境を作ることが求められます。

5,リーダーシップの確立

そして最後の要素がリーダーシップであり、リーダーシップは企業の方向性を決める上で最も重要な要素のひとつになります。

経営者には優れたリーダーシップを発揮し、従業員を引っ張っていくことが求められています。

それには、目的や戦略、使命感を明確に示し、従業員に一丸となって進めるパワーを与えることが必要となります。

さいごに

人的資本経営は昔からある経営戦略であり、私も過去に経営者ではなく管理職として実践し改革を行うことが出来ましたが、当たり前のようで難しいこともあるのではないでしょうか?

従業員のモチベーションを上げ、会社の看板に誇りを持ってもらい、120%の力を発揮してもらうことができれば、自社のレベルも上がり、他社に引き抜かれることもなく逆に他社からの転職希望が増えるのではないでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。

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